オープン・アーキテクチャ
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「[[.NET 開発基盤部会 Wiki>http://dotnetdevelopmentinfras...
-戻る
--[[企画]]
--[[生産技術]]
--[[OSSのビジネスモデル]]
*目次 [#q72c6f82]
#contents
*概要 [#ya78d476]
オープンアーキテクチャのメリットを享受するには?
**オープンアーキテクチャとは [#c503f0d2]
ネットワーク上での組織化の方法論
-モジュール間を社会的に共有されたオープンな(汎用性のある...
-ネットワーク上に分散して存在する多様な主体の情報資源を結...
**経営戦略としてのオープン・アークテクチャ [#k062cbca]
以下に、[[参考>#x5be054d]]にもある、
>「経営戦略としてのオープン・アークテクチャ~
Open Architecture as a Business Strategy(國領二郎)」
([[一部>#w1eb96df]] / [[二部>#ef4171fa]])を要約し、これ...
20年経った現在から振り返り、内容の妥当性を[[分析>#uffd354...
*一部 [#w1eb96df]
オープン・アーキテクチャの論理
**背景 [#g9113a8c]
[[二部の3つの要因>#ef4171fa]]を参照。
**事例 [#a8ad6f68]
***産業側 [#u366d659]
-得意領域に経営資源を集中し、
-それ以外については提携など
--事業部門の売却や合併
--他社資源を活用する思想
---アウトソーシング
---パッケージソフトの導入
***消費者 [#ud46ebb2]
-ネットワーク化が進むにつれて、~
オープン・アークテクチャ戦略の価値創造の輪に入る主体が~
産業側にいる企業だけでなく、消費者にまで広がってきた。~
(例えば、日本で言うと価格ドットコムなどの例)
**ビジネスモデルについて [#gb4d3522]
ココでのビジネス・モデルとは、
+誰にどんな価値を届け、
+そのために
++経営資源をどのように組み合わせ、
++その経営資源をどのように調達し、
+パートナーや顧客とのコミュニケーションをどのように行い、
+いかなる流通経路と価格体系のもとで届けるか?
についてのビジネスのデザインについての設計思想。
***情報技術と経営 [#r180a098]
-情報技術と経済効果の間には複雑な因果関係があって、
>「コンピュータを何台買ったから、いくら儲かるようになる。」
>といった直線的な計測ができない。
-情報技術のインパクトの評価が難しいのは以下に起因するもの...
>
+技術一般の性格として、
--目的に対する実現手段であって、
--かつ複合的なシステムの一部として使われるため、
--決定論的に技術が経済活動に影響を与えるとは言えないこと、
+情報は発信者から出される形式的な量として計ることができて...
--それが生む意味や価値の評価は
--受け手の意味解釈システムに依存し、
--評価することが極めて難しい。
***ビジネス・モデルの進化 [#z6bd7d40]
-井上(1998)は
--情報システムを
--ビジネス(事業)システム進化の文脈の中で考えること
>を提案している。
-氏は事業システムを
>「商品やサービス開発のための要素技術、~
生産の仕組みや技術、~
販売と流通の仕組み、~
組織、働く人びとの意識、~
顧客の間へのイメージや信用の蓄積~
などをベースとした事業の仕組み」
>と定義している。
-ビジネス・モデルの分析を行う場合には
>
+供給連鎖における役割分担の設計
+役割分担を行った主体間の物及び情報のやり取り(流れ)の形...
>を記述することが有益(例えば、卸売業の商物分離≒物流業へ...
***ビジネス・モデルと情報技術の関係 [#vb247ef6]
-この関係とは、共進化
-情報システムが事業システムの一部分(つまり下位システム)...
他の下位システム(つまり情報システム)と相互作用をしなが...
***ビジネス・モデルと情報技術の相互作用 [#e99336ef]
-ビジネス・モデルの設計は~
システム設計上のボトルネックによって決定される
-技術開発はそのボトルネックを取り払う。~
(技術はその時々において、~
何が不可能であるか、限界であるかを
規定する「制約条件」として考える方が、~
技術の可能性を考える上でも有効)
--いったんボトルネックが取り払われても、
---新しいビジネス・モデルが生まれる。
---既存のビジネス・モデルのパフォーマンスが改善する。
--次のボトルネックが浮上して次の開発の焦点となる。
***ビジネス・モデル移行に対する抵抗 [#q040f239]
-抵抗の例
--生産性のジレンマ
--過去の成功体験
--組織や販売チャネルの抵抗
-具体例
--前世代のHDDのリーダーが次世代の対応に出遅れる検討(Chris...
--物理的な店舗を持つ企業がインターネット販売をする場合
-抵抗があって変化が遅らせると、変化は急激に訪れる
--古いモデルに拘泥した金融業界
--, etc.
**産業横断的なオープン・アーキテクチャ戦略 [#y80d36ea]
***垂直統合からオープン・アーキテクチャ [#l7aeb651]
-垂直統合では、
--顧客第一をうたいながら、
--往々にして生産者側の「販売代理」を行い、
--商品の買い手を開拓してきた。
-垂直統合は次第に競争力を失うと考えられている。~
総合メーカーからパッケージャ転換しようという企業は
--膨張した製品ラインを分社、別ブランド化、売却するなどの...
--明確なコンセプトを持つ商品ラインに集約していく必要に迫...
>...であろう。
***垂直統合における各種役割 [#vd63d21d]
-顧客
-販売代理店
--特徴
---安定的に製品の販売を行うことには向いている。
---売上を保証するために扱う製品の幅を広げなければいけなく...
---昨今、特定メーカーの商品だけの品揃えではチャネルとして...
--例
---直営店(ディーラー)
---販売店(サブディーラー)
---代理店
-メーカー
--販売チャネルに対する支配力-囲い込みをベースとする。
--当該、販売チャネルで、製品の幅を広げていく必要がある。
--結果、プロダクトのコンセプトが次第に不明確になっていく...
--コンセプトの不明確な商品をチャネルの力で押しことが難し...
***オープン・アーキテクチャにおける各種役割 [#n79ce428]
-購買代理業者
--川下で重要な役割を演じる~
顧客のニーズに合わせて商品を探す業者。
--複数の商品を結合させてトータルなものとして提供する。
---構成要素全てを提供できる商品提供会社は想定し難く、
---必然的にいろいろな会社のサービスを購入し
---組み合わせて顧客に提供することとなる。
--当然、購買代理業者は特定メーカーの傘下には入らない。
--購買代理業者が強くなってくる背景
---モノが豊富になって顧客に選択の余地が生まれたことに加え...
---情報化によって顧客に情報がふんだんに伝わるようになって...
生産者からの単純なプロモーションにはのらないようになって...
--金融業でも投資信託商品で同じような現象が起きている。
-要素提供者
--従来「メーカー」と総称してきたような生産者の1部分
--特定の分野に経営資源を集中投入し、その分野において~
高いマーケットシェアを狙う技術指向の強い部品メーカー
-パッケージャ
--従来「メーカー」と総称してきたような生産者の1部分
--パッケージャは明確な商品コンセプトをもとに~
要素提供者の提供する技術を統合する役割を担う。
--自動車業界、総合電機メーカー等は、パッケージャとしての...
-パッケージャと購買代理業者の違い
--購買代理業者は、プロダクト開発というよりソリューション...
--パッケージャは、プロダクト開発やソリューション開発を行...
---商品コンセプト実現、メッセージ性の付加のために
---特定の要素提供者と戦略提携などを結びながら、
---設計思想などの形成に積極的な役割を演じる。
--しかし、昨今、ソリューション提案でも、
---コンセプト実現、メッセージ性の付加が重要になってきた感...
---昔のソリューションは、1つの代表的なプロダクトを指して...
最近は、幾つかのプロダクトと其の組み合わせから成るように...
---そういう意味で、&color(red){パッケージャと購買代理業者...
*二部 [#ef4171fa]
-情報化とオープン・アーキテクチャ戦略との関係
-以下の三要因が相互に作用し合って、ネットワーク上では~
多様な主体が価値の源泉である情報を発信して結合させる経済...
**第一要因 [#za804d8d]
***概要 [#e6f9c962]
-機械系システムの処理能力向上と人間系システムの処理能力向...
--機械の情報処理・伝達能力が飛躍的に伸びているのに対して、
--人間の認知能力や人間間のコミュニケーション能力が希少資...
***要約 [#rb095be1]
長いので以下の節をサマリすると、
-モジュール化
-無駄を前提とするシステム
-分散的な協働の実現
-モジュール化の限界
-統合度の概念
オープンなソフトウェア・スタックは、~
人間のコミュニケーション資源を浪費せずに拡大し得る。みた...
**第二要因 [#d6d32549]
***概要 [#g09a1ca7]
-情報と媒体のアンバンドルによる情報のコスト構造特性の表面化
-情報がそれを運ぶ媒体(紙など)から分離したこと。
--すなわち情報は複製するコストが限りなくゼロに近い。
--これが情報を結合させることによって生まれる連結の経済(...
あいまって情報を公開し他者の情報と結合させる戦略を有利な...
***要約 [#p2c60bef]
長いので以下の節をサマリすると、
-変動費ゼロの世界
--情報量に対する変動費
--距離に対する変動費
-課金コストの高さ(逆風)
-公開して結合する戦略(広告等)
情報展開の変動費は安いが、課金コストは高い。~
(従って、広告等などのビジネスモデルが隆盛している。)
**第三要因 [#ke2e9043]
***概要 [#de1b024a]
-ネットワーク普及による「情報の非対称性」の構造変化
-「情報の非対称性」の「逆転」現象。
--「情報の非対称性」とは、~
取引主体間で持っている情報量に差がある状態のこと。
--従来は
---売り手の方が商品の品質や市場価格などについて多くの情報...
---買い手の方はあまり持っていないといった状況が一般的であ...
---それが取引形態に影響を与えていたことを説明するために使...
--ところが~
インターネットなどの手段によって、~
何がどこでいくらで売られているかなどの情報が~
かなり広範に広まるようになってくるにつれて、~
消費者側も多くの情報量を持つようになってきた。
***要約 [#i8ee089a]
長いので以下の節をサマリすると、
-消費者が大量の情報を持つことを前提~
としたビジネス・モデル(価格ドットコム的な)
-逆転現象
--供給者側の情報はより得易く、顧客側の情報は比較的に得難...
--従って、顧客情報をより多く持っている事業者が優位になる。
--これに対応するのは、サービス化モデル
---販売は無店舗でネットワーク上で行い、
---地域拠点は保守サービス収入で維持する。
--参加型価値生産モデル
---顧客側が発信する情報を価値生産そのものに取り込む動き。
---アマゾンで言うと、カスタマーレビュー、出品者の評価など...
--オープンソースの思想
---ソフトウエアの欠陥や改良についての指摘や提案が世界中か...
---日々刻々と製品が進化するメカニズムを構築することができ...
---結果として製品に高い信頼性を与え、メーカーは製品への組...
>「情報の非対称性」の逆転現象を~
逆手に取ったビジネスモデルを考える必要がある。
*分析 [#uffd3549]
**論文の要約 [#x64b5ea1]
上記の論文([[一部>#w1eb96df]] / [[二部>#ef4171fa]])を要...
-オープンなソフトウェア・スタックを使用し、~
人間のコミュニケーション資源を浪費しないようにする。
--モジュール化
--無駄を前提とするシステム
--分散的な協働の実現
-情報展開の変動費は安いが、課金コストは高い。~
従って、課金コストの掛からないビジネスモデルが優位。
--広告ビジネス
--フリーミアム → サブスクリプション
-「情報の非対称性」が逆転するので、~
顧客情報を、より多く持っている事業者が優位になる。
--ECサイト
--広告ビジネス
>※ 同時に、[[GDPR>SC:法制度 - GDPR]]や~
サードパーティcookie廃止など、~
個人情報保護の動きも見られる。
と言える。
**現在の状況 [#bc0d31b0]
大凡、2000に発表された本論文に従って~
2020年現在のIT産業は発展してきた。
-グローバルでは
--ICT産業
---GAFA、FANG
---Microsoft、Oracle
--自動車産業
---GM、フォードの凋落
---モビリティサービス産業(MaaS)へシフト
-日本で言うと
--リクルート
--ソフトバンク
--楽天
-その他メーカーも、製造業や、~
従来型の独自の基本ソフト・ミドル開発~
...を放棄しはじめている。
*参考 [#x5be054d]
-経営戦略としてのオープン・アークテクチャ~
Open Architecture as a Business Strategy~
http://www.computer-services.e.u-tokyo.ac.jp/p/itme/dp/dp...
-オープンアーキテクチャ,オープンソースソフトウェア時代の~
標準化フレームワークを使用したプロジェクトマネジメント~
http://www.slideshare.net/daisukenishino/ss-66717458
**[[SCMとビジネスモデル>生産技術#h14e5611]] [#q11f66c8]
**[[OSSのビジネスモデル]] [#t2a205af]
終了行:
「[[.NET 開発基盤部会 Wiki>http://dotnetdevelopmentinfras...
-戻る
--[[企画]]
--[[生産技術]]
--[[OSSのビジネスモデル]]
*目次 [#q72c6f82]
#contents
*概要 [#ya78d476]
オープンアーキテクチャのメリットを享受するには?
**オープンアーキテクチャとは [#c503f0d2]
ネットワーク上での組織化の方法論
-モジュール間を社会的に共有されたオープンな(汎用性のある...
-ネットワーク上に分散して存在する多様な主体の情報資源を結...
**経営戦略としてのオープン・アークテクチャ [#k062cbca]
以下に、[[参考>#x5be054d]]にもある、
>「経営戦略としてのオープン・アークテクチャ~
Open Architecture as a Business Strategy(國領二郎)」
([[一部>#w1eb96df]] / [[二部>#ef4171fa]])を要約し、これ...
20年経った現在から振り返り、内容の妥当性を[[分析>#uffd354...
*一部 [#w1eb96df]
オープン・アーキテクチャの論理
**背景 [#g9113a8c]
[[二部の3つの要因>#ef4171fa]]を参照。
**事例 [#a8ad6f68]
***産業側 [#u366d659]
-得意領域に経営資源を集中し、
-それ以外については提携など
--事業部門の売却や合併
--他社資源を活用する思想
---アウトソーシング
---パッケージソフトの導入
***消費者 [#ud46ebb2]
-ネットワーク化が進むにつれて、~
オープン・アークテクチャ戦略の価値創造の輪に入る主体が~
産業側にいる企業だけでなく、消費者にまで広がってきた。~
(例えば、日本で言うと価格ドットコムなどの例)
**ビジネスモデルについて [#gb4d3522]
ココでのビジネス・モデルとは、
+誰にどんな価値を届け、
+そのために
++経営資源をどのように組み合わせ、
++その経営資源をどのように調達し、
+パートナーや顧客とのコミュニケーションをどのように行い、
+いかなる流通経路と価格体系のもとで届けるか?
についてのビジネスのデザインについての設計思想。
***情報技術と経営 [#r180a098]
-情報技術と経済効果の間には複雑な因果関係があって、
>「コンピュータを何台買ったから、いくら儲かるようになる。」
>といった直線的な計測ができない。
-情報技術のインパクトの評価が難しいのは以下に起因するもの...
>
+技術一般の性格として、
--目的に対する実現手段であって、
--かつ複合的なシステムの一部として使われるため、
--決定論的に技術が経済活動に影響を与えるとは言えないこと、
+情報は発信者から出される形式的な量として計ることができて...
--それが生む意味や価値の評価は
--受け手の意味解釈システムに依存し、
--評価することが極めて難しい。
***ビジネス・モデルの進化 [#z6bd7d40]
-井上(1998)は
--情報システムを
--ビジネス(事業)システム進化の文脈の中で考えること
>を提案している。
-氏は事業システムを
>「商品やサービス開発のための要素技術、~
生産の仕組みや技術、~
販売と流通の仕組み、~
組織、働く人びとの意識、~
顧客の間へのイメージや信用の蓄積~
などをベースとした事業の仕組み」
>と定義している。
-ビジネス・モデルの分析を行う場合には
>
+供給連鎖における役割分担の設計
+役割分担を行った主体間の物及び情報のやり取り(流れ)の形...
>を記述することが有益(例えば、卸売業の商物分離≒物流業へ...
***ビジネス・モデルと情報技術の関係 [#vb247ef6]
-この関係とは、共進化
-情報システムが事業システムの一部分(つまり下位システム)...
他の下位システム(つまり情報システム)と相互作用をしなが...
***ビジネス・モデルと情報技術の相互作用 [#e99336ef]
-ビジネス・モデルの設計は~
システム設計上のボトルネックによって決定される
-技術開発はそのボトルネックを取り払う。~
(技術はその時々において、~
何が不可能であるか、限界であるかを
規定する「制約条件」として考える方が、~
技術の可能性を考える上でも有効)
--いったんボトルネックが取り払われても、
---新しいビジネス・モデルが生まれる。
---既存のビジネス・モデルのパフォーマンスが改善する。
--次のボトルネックが浮上して次の開発の焦点となる。
***ビジネス・モデル移行に対する抵抗 [#q040f239]
-抵抗の例
--生産性のジレンマ
--過去の成功体験
--組織や販売チャネルの抵抗
-具体例
--前世代のHDDのリーダーが次世代の対応に出遅れる検討(Chris...
--物理的な店舗を持つ企業がインターネット販売をする場合
-抵抗があって変化が遅らせると、変化は急激に訪れる
--古いモデルに拘泥した金融業界
--, etc.
**産業横断的なオープン・アーキテクチャ戦略 [#y80d36ea]
***垂直統合からオープン・アーキテクチャ [#l7aeb651]
-垂直統合では、
--顧客第一をうたいながら、
--往々にして生産者側の「販売代理」を行い、
--商品の買い手を開拓してきた。
-垂直統合は次第に競争力を失うと考えられている。~
総合メーカーからパッケージャ転換しようという企業は
--膨張した製品ラインを分社、別ブランド化、売却するなどの...
--明確なコンセプトを持つ商品ラインに集約していく必要に迫...
>...であろう。
***垂直統合における各種役割 [#vd63d21d]
-顧客
-販売代理店
--特徴
---安定的に製品の販売を行うことには向いている。
---売上を保証するために扱う製品の幅を広げなければいけなく...
---昨今、特定メーカーの商品だけの品揃えではチャネルとして...
--例
---直営店(ディーラー)
---販売店(サブディーラー)
---代理店
-メーカー
--販売チャネルに対する支配力-囲い込みをベースとする。
--当該、販売チャネルで、製品の幅を広げていく必要がある。
--結果、プロダクトのコンセプトが次第に不明確になっていく...
--コンセプトの不明確な商品をチャネルの力で押しことが難し...
***オープン・アーキテクチャにおける各種役割 [#n79ce428]
-購買代理業者
--川下で重要な役割を演じる~
顧客のニーズに合わせて商品を探す業者。
--複数の商品を結合させてトータルなものとして提供する。
---構成要素全てを提供できる商品提供会社は想定し難く、
---必然的にいろいろな会社のサービスを購入し
---組み合わせて顧客に提供することとなる。
--当然、購買代理業者は特定メーカーの傘下には入らない。
--購買代理業者が強くなってくる背景
---モノが豊富になって顧客に選択の余地が生まれたことに加え...
---情報化によって顧客に情報がふんだんに伝わるようになって...
生産者からの単純なプロモーションにはのらないようになって...
--金融業でも投資信託商品で同じような現象が起きている。
-要素提供者
--従来「メーカー」と総称してきたような生産者の1部分
--特定の分野に経営資源を集中投入し、その分野において~
高いマーケットシェアを狙う技術指向の強い部品メーカー
-パッケージャ
--従来「メーカー」と総称してきたような生産者の1部分
--パッケージャは明確な商品コンセプトをもとに~
要素提供者の提供する技術を統合する役割を担う。
--自動車業界、総合電機メーカー等は、パッケージャとしての...
-パッケージャと購買代理業者の違い
--購買代理業者は、プロダクト開発というよりソリューション...
--パッケージャは、プロダクト開発やソリューション開発を行...
---商品コンセプト実現、メッセージ性の付加のために
---特定の要素提供者と戦略提携などを結びながら、
---設計思想などの形成に積極的な役割を演じる。
--しかし、昨今、ソリューション提案でも、
---コンセプト実現、メッセージ性の付加が重要になってきた感...
---昔のソリューションは、1つの代表的なプロダクトを指して...
最近は、幾つかのプロダクトと其の組み合わせから成るように...
---そういう意味で、&color(red){パッケージャと購買代理業者...
*二部 [#ef4171fa]
-情報化とオープン・アーキテクチャ戦略との関係
-以下の三要因が相互に作用し合って、ネットワーク上では~
多様な主体が価値の源泉である情報を発信して結合させる経済...
**第一要因 [#za804d8d]
***概要 [#e6f9c962]
-機械系システムの処理能力向上と人間系システムの処理能力向...
--機械の情報処理・伝達能力が飛躍的に伸びているのに対して、
--人間の認知能力や人間間のコミュニケーション能力が希少資...
***要約 [#rb095be1]
長いので以下の節をサマリすると、
-モジュール化
-無駄を前提とするシステム
-分散的な協働の実現
-モジュール化の限界
-統合度の概念
オープンなソフトウェア・スタックは、~
人間のコミュニケーション資源を浪費せずに拡大し得る。みた...
**第二要因 [#d6d32549]
***概要 [#g09a1ca7]
-情報と媒体のアンバンドルによる情報のコスト構造特性の表面化
-情報がそれを運ぶ媒体(紙など)から分離したこと。
--すなわち情報は複製するコストが限りなくゼロに近い。
--これが情報を結合させることによって生まれる連結の経済(...
あいまって情報を公開し他者の情報と結合させる戦略を有利な...
***要約 [#p2c60bef]
長いので以下の節をサマリすると、
-変動費ゼロの世界
--情報量に対する変動費
--距離に対する変動費
-課金コストの高さ(逆風)
-公開して結合する戦略(広告等)
情報展開の変動費は安いが、課金コストは高い。~
(従って、広告等などのビジネスモデルが隆盛している。)
**第三要因 [#ke2e9043]
***概要 [#de1b024a]
-ネットワーク普及による「情報の非対称性」の構造変化
-「情報の非対称性」の「逆転」現象。
--「情報の非対称性」とは、~
取引主体間で持っている情報量に差がある状態のこと。
--従来は
---売り手の方が商品の品質や市場価格などについて多くの情報...
---買い手の方はあまり持っていないといった状況が一般的であ...
---それが取引形態に影響を与えていたことを説明するために使...
--ところが~
インターネットなどの手段によって、~
何がどこでいくらで売られているかなどの情報が~
かなり広範に広まるようになってくるにつれて、~
消費者側も多くの情報量を持つようになってきた。
***要約 [#i8ee089a]
長いので以下の節をサマリすると、
-消費者が大量の情報を持つことを前提~
としたビジネス・モデル(価格ドットコム的な)
-逆転現象
--供給者側の情報はより得易く、顧客側の情報は比較的に得難...
--従って、顧客情報をより多く持っている事業者が優位になる。
--これに対応するのは、サービス化モデル
---販売は無店舗でネットワーク上で行い、
---地域拠点は保守サービス収入で維持する。
--参加型価値生産モデル
---顧客側が発信する情報を価値生産そのものに取り込む動き。
---アマゾンで言うと、カスタマーレビュー、出品者の評価など...
--オープンソースの思想
---ソフトウエアの欠陥や改良についての指摘や提案が世界中か...
---日々刻々と製品が進化するメカニズムを構築することができ...
---結果として製品に高い信頼性を与え、メーカーは製品への組...
>「情報の非対称性」の逆転現象を~
逆手に取ったビジネスモデルを考える必要がある。
*分析 [#uffd3549]
**論文の要約 [#x64b5ea1]
上記の論文([[一部>#w1eb96df]] / [[二部>#ef4171fa]])を要...
-オープンなソフトウェア・スタックを使用し、~
人間のコミュニケーション資源を浪費しないようにする。
--モジュール化
--無駄を前提とするシステム
--分散的な協働の実現
-情報展開の変動費は安いが、課金コストは高い。~
従って、課金コストの掛からないビジネスモデルが優位。
--広告ビジネス
--フリーミアム → サブスクリプション
-「情報の非対称性」が逆転するので、~
顧客情報を、より多く持っている事業者が優位になる。
--ECサイト
--広告ビジネス
>※ 同時に、[[GDPR>SC:法制度 - GDPR]]や~
サードパーティcookie廃止など、~
個人情報保護の動きも見られる。
と言える。
**現在の状況 [#bc0d31b0]
大凡、2000に発表された本論文に従って~
2020年現在のIT産業は発展してきた。
-グローバルでは
--ICT産業
---GAFA、FANG
---Microsoft、Oracle
--自動車産業
---GM、フォードの凋落
---モビリティサービス産業(MaaS)へシフト
-日本で言うと
--リクルート
--ソフトバンク
--楽天
-その他メーカーも、製造業や、~
従来型の独自の基本ソフト・ミドル開発~
...を放棄しはじめている。
*参考 [#x5be054d]
-経営戦略としてのオープン・アークテクチャ~
Open Architecture as a Business Strategy~
http://www.computer-services.e.u-tokyo.ac.jp/p/itme/dp/dp...
-オープンアーキテクチャ,オープンソースソフトウェア時代の~
標準化フレームワークを使用したプロジェクトマネジメント~
http://www.slideshare.net/daisukenishino/ss-66717458
**[[SCMとビジネスモデル>生産技術#h14e5611]] [#q11f66c8]
**[[OSSのビジネスモデル]] [#t2a205af]
ページ名: