「.NET 開発基盤部会 Wiki」は、「Open棟梁Project」,「OSSコンソーシアム .NET開発基盤部会」によって運営されています。
目次 †
概要 †
立上プロセスの主要な役割 †
プロジェクトの開始点 †
マネジメント・スキル †
インプット・アウトプット †
プロジェクトの発生 †
立上とは †
以下を公式に承認する。
- 新規プロジェクト、既存プロジェクトの次フェーズが開始されること。
- 資源を上記の開始されたプロジェクトに投入する必要があること。
ニーズと要求 †
- PMBOKによれば、7つのニーズと要求により発生する。
- これらは、
- ビジネスの機会 / 要件、問題解決に結び付く。
- また、プロジェクトのリスクにも結び付く。
- 経営陣は、これらのニーズと要求にどう対応するか、
決定する必要がある(これがプロジェクト立上の契機になる)。
市場の需要 †
戦略的 / ビジネス・ニーズ †
- 例
- 処理性能の高いコールセンタが基幹業務に必要
→ サービスの応答時間が悪くなることが収益に影響するため。
顧客要求 †
- 顧客が明確に要求する。
- 顧客には組織内の顧客と組織外の顧客がいる。
- 市場の需要よりミクロ
- 例
技術的進歩 †
- 問題はソレを解決する手段が登場して初めて問題と認識される。
- 技術的進歩が問題解決をする場合、その導入がプロジェクトに繋がる。
- 例
業務にXXXを導入
- 衛星通信
- モバイル端末
- タッチ・スクリーン
- 動画ストリーミング
- , etc.
法的要件 †
- 新しい法案が可決される毎に、
政府・民間共にプロジェクトを立ち上げる。
- 例
- マイナンバー
- 消費税の引き上げ
- 医療関連の新しい法律の制定
- 食品の産地・原料・カロリー・許容摂取量など表示の義務付け。
環境への配慮 †
社会的ニーズ †
フィージビリティ・スタディ †
プロジェクトが実行可能であるかどうかを判断する。
- 技術面で
- 実現可能か?
- 信頼性は高いか?
- 既存体制への組み込みが可能か?
- タイミング
- 別プロジェクトとして実施
- サブ・プロジェクトとして実施
- 第一フェーズで実施
- 実施チーム
プロジェクトに携わらない(偏見の無い)チームが実施する。
- 評価
会議を実施
- 顧客
- スポンサー
- 専門家
- PM(※役割に含まれないが参加することはある。)
プロジェクト選定と評価 †
選定プロセスは、フィージビリティ・スタディと同様に、
評価プロセス †
- 組織の大半は、選定、優先度付けに関する
公式、準公式の評価プロセスを持っている。
- 例
- 会計年度の始まる前の予算立案時期に
選定委員会はプロジェクト案の提出を求める。
- 書面には、以下が記載される。
- ハイレベル概要
- 成果物に関する記述
- ビジネス上の存在理由
- 望ましいプロダクト / サービス / 所産の導入日
- プロジェクトにより組織が得るもの。
(影響を受ける機能部門リストと、費用便益分析)
- 評価
会議を実施
- 顧客
- スポンサー
- 専門家
- PM(※役割に含まれないが参加することはある。)
- プロジェクト・リストに追加される。
- 正式に文書化される。
- 選定委員会に、月次進捗報告を行う。
プロジェクト評価方法 †
下記の要因でプロジェクトによって評価手法は異なる。
プロジェクト選定手法 †
- 測定の対象
プロジェクトの産み出すプロダクト / サービス / 所産
- 測定の軸
経営者の戦略的目標とのマッピンク
- マーケットシェア
- 金銭的利益
- 投資収益率
- 顧客維持率
- 顧客忠誠度
- 社会通念
- プロジェクト選定手法
プロジェクト選定手法には、以下の2つ区分がある。
- 数学的モデル(算定技法、制約条件付き最適化法)
工学、統計学、数学の知識が必要。以下のアルゴリズムを使用する。
- 線形計画法
- 動的計画法
- 整数計画法
- 非線形計画法
- 多重目的計画法
- 利益測定法(意思決定モデル)
- プロダクト / サービス / 所産の利点・利益を検討する。
- 大半のプロジェクトではこちらを採用する。
- 費用便益法、得点モデル、キャッシュ・フロー分析手法などがある。
- 大規模・複雑なプロジェクトでは複数の利益測定法を組み合わせて使用する。
- 費用便益分析(便益費用分析)
- もっとも広く使用されている利益測定法(意思決定モデル)の手法。
- プロダクト / サービス / 所産を産み出す費用を、組織が得る便益と比較する。
- 費用の例:開発費 / 販管費 / 保守費
- 便益の例:売上
- 得点モデル(重み付け得点モデル)
- 選定委員会で得点モデル(重み付け得点モデル)の基準を作成する。
- 基準の例:市場性、見込利益、開発力 / 生産力、サポート力
# | 基準 | 重み | Pj1の得点 | Pj1の総得点 | Pj2の得点 | Pj2の総得点 | Pj3の得点 | Pj3の総得点 |
1 | 市場性 | 5 | 5 | 25 | 5 | 25 | 3 | 15 |
2 | 見込利益 | 4 | 4 | 16 | 3 | 13 | 4 | 16 |
3 | 開発力 / 生産力 | 3 | 4 | 12 | 3 | 9 | 2 | 6 |
4 | サポート力 | 2 | 4 | 8 | 3 | 6 | 4 | 8 |
- | 合計 | - | - | 61 | - | 53 | - | 45 |
- キャッシュ・フロー分析手法
様々な、キャッシュ・フロー分析手法がある。
- 回収期間分析
(初期投資と製品寿命までのキャッシュ・インフローから)回収期間を分析する。
しかし、将来のキャッシュ・インフローの価値(割引率:資本コスト分、下がる)を考慮しないので精度が低い。
- 正味現在価値(NPV : Net Present Value)
割引キャッシュ・フローのように均等割りではなく期間ごとに評価(≒利回り)。
NPVがプラスになれば、資本コスト以上の収益を上げていることになる。
Pj1
期間 | キャッシュ・インフロー | PV |
1 | 10,000 | 10,000/(1.12)^1 = 8,929 |
2 | 15,000 | 15,000/(1.12)^2 = 11,958 |
3 | 5,000 | 5,000/(1.12)^3 = 3,559 |
合計 | 30,000 | 8,929 + 11,958 + 3,559 = 24,446 |
初期投資 | | 24,000 |
NPV | | +446 |
Pj2
期間 | キャッシュ・インフロー | PV |
1 | 7,000 | 7,000/(1.12)^1 = 6,250 |
2 | 13,000 | 13,000/(1.12)^2 = 10,364 |
3 | 10,000 | 10,000/(1.12)^3 = 7,118 |
合計 | 30,000 | 6,250 + 10,364 + 7,118 = 23,732 |
初期投資 | | 24,000 |
NPV | | -268 |
※ 割引率(資本コスト)12 %。
- 「回収期間分析」は精度が低い、「正味現在価値」は堅実、
「正味現在価値」と「内部収益率」は結論が同じになる。
プロジェクト憲章作成 †
- プロジェクト憲章は、プロジェクトを承認するPMの名前入りの書面。
- プロジェクト憲章の目的 = 立上プロセス群の目的
インプット †
プロジェクト作業範囲記述書 †
プロジェクト作業範囲記述書 = プロジェクトSOW(Statement Of Work)
- 作成者
- 内部プロジェクト : スポンサー or イニシエーター
- 外部プロジェクト : 購入者(プロジェクトをPMに発注した顧客)
- 戦略計画を考慮する。
企業の戦略計画とプロジェクトの関係
- [[プロダクト・スコープ記述書>]]を考慮する。
[[プロダクト・スコープ記述書>]]の内容
ビジネス・ケース †
- ビジネス・ニーズを理解し投資に価値があるかを判断するための文書。
- ビジネス・ケースの承認
- プロジェクト憲章作成プロセス開始のきっかけになる。
- ビジネス・ケースの承認アクティビティは、プロジェクト外部で行われる。
合意書 †
組織体の環境要因 †
組織のプロセス資産 †
プロセス †
アウトプット †
プロジェクト憲章 †
ステークホルダー特定 †
制約条件 †
基本的な制約条件 †
範囲(スコープ) †
時間(スケジュール) †
予算(コスト) †
PMBOK:競合する要求 †
上記に加え、
品質 †
人的資源 †
リスク †