「[[.NET 開発基盤部会 Wiki>http://dotnetdevelopmentinfrastructure.osscons.jp]]」は、「[[Open棟梁Project>https://github.com/OpenTouryoProject/]]」,「[[OSSコンソーシアム .NET開発基盤部会>https://www.osscons.jp/dotNetDevelopmentInfrastructure/]]」によって運営されています。 -戻る --[[PMP:立上>PMP:立上#ff8eda21]] --[[PMP:試験]] *目次 [#y4138585] #contents *概要 [#lc831144] -回収期間は短い方がよく、 -NPV、IRRともに数字としては大きい方がイイ。 --NPV : 正であれば投資 --IRR : 大きい方がイイ。 *詳細 [#ua061516] **費用便益分析(BCR :Benefit-Cost Ratio) [#l8af5bbf] -もっとも広く使用されている利益測定法(意思決定モデル)の手法。 -[[成果物(プロダクト / サービス / 所産)>PMP:共通#d2910c2d]]を産み出す費用を、組織が得る便益と比較する。 -BCR = 収益 / コスト --BCR < 0 : 収益 < コスト --BCR = : ±0(収益 = コスト) --BCR < 0 : コスト < 収益 -費用・便益 --便益の例:売上 --費用の例:開発費 / 販管費 / 保守費 **得点モデル(重み付け得点モデル) [#g74bff0a] -選定委員会で得点モデル(重み付け得点モデル)の基準を作成する。 -基準の例:市場性、見込利益、開発力 / 生産力、サポート力 |#|基準|重み|Pj1の得点|Pj1の総得点|Pj2の得点|Pj2の総得点|Pj3の得点|Pj3の総得点|h |1|市場性|5|5|25|5|25|3|15| |2|見込利益|4|4|16|3|13|4|16| |3|開発力 / 生産力|3|4|12|3|9|2|6| |4|サポート力|2|4|8|3|6|4|8| |-|合計|-|-|61|-|53|-|45| **キャッシュ・フロー分析手法 [#s9049849] 様々な、キャッシュ・フロー分析手法があるが、 -精度は、「[[回収期間分析>#m4405801]]」<「[[割引キャッシュ・フロー>#rdfbb5a2]]」<「[[正味現在価値(NPV)>#wd74da73]]」 -「[[正味現在価値(NPV)>#wd74da73]]」と「[[内部収益率(IRR)>#udb802ea]]」は結論が同じになる。 ***回収期間分析 [#m4405801] -初期投資と製品寿命までのキャッシュ・インフローから回収期間を分析する。 -ァイナンス理論に基づいた方法ではないが、直感的に理解しやすく、現在も広く使われている。 -しかし、将来のキャッシュ・インフローの価値([[割引率>#d8386a03]])を考慮しないので精度が低い。 -問題点~ 大きく以下の4つの問題点がある。 --お金の時間価値を無視している。~ 1年目のキャッシュと2年目のキャッシュを全く同じに扱う。 --プロジェクト全体のリスクを無視している。~ 「[[正味現在価値(NPV)>#wd74da73]]」と「[[内部収益率(IRR)>#udb802ea]]」は、[[割引率>#d8386a03]]を調整することによって~ プロジェクトのリスク(=将来のキャッシュフローのばらつき)を反映出来る。 --回収期間の基準があいまい。 --回収期間以降のキャッシュフローの価値を無視する。 ***割引キャッシュ・フロー [#rdfbb5a2] -将来受け取る現金は、 --現在の現金より価値が[[割引率>#d8386a03]]分、低くなることを考慮に入れる。~ --以下の2番目の式を使用し、例えば、x年でy円を稼ぐ2つのプロジェクトを比較する。~ n FV = PV ( 1 + i ) FV PV = ------------ n ( 1 + i ) FV : 初期投資の将来の価値, PV : 初期投資の現在の価値, i : 利率, n : 期間の数 -例~ [[割引率>#d8386a03]]:12 % --Pj1~ 2年で10万円 = 10/(1.12)^2 = 7.97万円, --Pj2~ 3年で12万円 = 12/(1.12)^3 = 8.54万円~ >&color(red){PV(初期投資の現在の価値)が高い方がイイ}; ***正味現在価値(NPV : Net Present Value) [#wd74da73] -NPV =(投資が生み出すキャッシュフローの現在価値)-(初期投資額) -割引キャッシュ・フローのように均等割りではなく期間ごとに評価。 --&color(red){[[割引率>#d8386a03]]での再投資。}; --NPVがプラスになれば、[[期待収益率(資本コスト)>#m304d723]]以上の収益を上げていることになる。 ---&color(red){NPVは高い方がイイ}; ---NPVが正(NPV > 0)ならば投資を行い、 ---NPVが負(NPV < 0)ならば投資しない。 -例~ [[割引率>#d8386a03]]:12 % --Pj1 |期間|FV|PV|h |1|10,000|10,000/(1.12)^1 = 8,929| |2|15,000|15,000/(1.12)^2 = 11,958| |3|5,000|5,000/(1.12)^3 = 3,559| |期間合計|30,000|8,929 + 11,958 + 3,559 = 24,446| |初期投資|-|24,000| |NPV|-|+446| --Pj2 |期間|FV|PV|h |1|7,000|7,000/(1.12)^1 = 6,250| |2|13,000|13,000/(1.12)^2 = 10,364| |3|10,000|10,000/(1.12)^3 = 7,118| |期間合計|30,000|6,250 + 10,364 + 7,118 = 23,732| |初期投資|-|24,000| |NPV|-|-268| ***内部収益率(IRR : Internal Rate of Return)[#udb802ea] -IRR = NPVがゼロになるときの[[割引率>#d8386a03]]。 -平均回収率 = コストの現在価値が利益の現在価値と等しくなるような利率 --&color(red){[[割引率>#d8386a03]]での再投資。}; --&color(red){計算は複雑なので割愛。}; FV1 FV2 FVn FV0 + ------------ + ------------ + ... + ------------ = 0 1 2 n ( 1 + r ) ( 1 + r ) ( 1 + r ) ※ FV0 = - PV FV : 初期投資の将来の価値, PV : 初期投資の現在の価値, r : 割引率, n : 期間の数 -同程度のリスクを持つ投資案件の利回り(ハードル・レート)を設定し、~ 当該投資機会の利回り(IRR)を比較することにより、投資を評価する。 --IRRがハードル・レートよりも大きければ投資を行い、小さければ投資しない。 --&color(red){IRRは高い方がイイ};が、回収期間が長くなる場合、~ 長期間故に[[割引率>#d8386a03]]も大きくなり、変動のリスクも大きいと判断されることがある。 *例題 [#nae36820] **割引キャッシュ・フロー [#o588fed1] -利率が10%である場合、1年後に受理する1000$の現在価値 1000 ---------- = 909$ 1 (1+0.1) -利率が10%である場合、2年後に受理する1000$の現在価値 1000 ---------- = 826$ 2 (1+0.1) **内部収益率(IRR : Internal Rate of Return) [#f06c429c] *用語 [#e0c8d5ce] **収益率(=利回り) [#x68967dc] -現在価値を将来の価値に換算するときに使う利率(=金利) -逆に考えると、将来価値を現在価値に換算するときに使う利率(=[[割引率>#d8386a03]])のこと。 ***投下資本利益率 [#l957f373] 投下資本利益率(ROI=Return on Investment)は別名投資利益率とも言われる。 -ROI = 利益 ÷ 投資額 × 100(%) -当期の ROI =(当期経常利益+減価償却費)÷(株式資本+有利子負債)× 100% ***自己資本利益率 [#ya758a15] 自己資本利益率(ROE=Return On Equity)は、~ 株主資本(資本金、資本準備金、利益準備金およびその他剰余金)~ に対する当期純利益の比率。 -ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%) **割引率 [#d8386a03] 割引率(=ディスカウント・レート、=ハードル・レート) -ディスカウント・レート:将来価値を現在価値に換算するときに使う利率 -ハードル・レート: --投資に要求される最低限の[[収益率(=利回り)>#x68967dc]]のこと --投資に対する[[期待収益率(資本コスト)>#m304d723]]と等価になる。 -WACC --企業が達成すべき投資利回りの基準になる数値。 --企業買収や企業評価する際、あるいは、企業内の投資案件の評価をする際に用いられる。 --[[期待収益率(資本コスト)>#m304d723]]([[資本にかかるコスト>#m304d723]]と、[[負債にかかるコスト>#w7849792]])の加重平均によって求められる。 **期待収益率(資本コスト) [#m304d723] -株主や債権者などの資本提供者から「これくらいは稼いで欲しい」と要求される[[収益率(=利回り)>#x68967dc]] -現代ファイナンス論によると期待収益率(資本コスト)は、 --ハイリスク・ハイリターンの関係が成り立つ、リスク負担に対する報酬 ---イコール「リスク」の大きさと捉える事ができる。 ---何故なら、投資家はリスクの高いものほど大きな見返りを要求するため。 --従って、資本コストの[[資本にかかるコスト>#m304d723]]は[[負債にかかるコスト>#w7849792]]より高い。 ***株主資本コスト [#i7e66fc2] -株主からこれくらいは稼いでほしい要求される[[収益率(=利回り)>#x68967dc]] -[[割引率>#d8386a03]]の具体的なかたちの一つ ***負債コスト [#w7849792] -債権者より調達した負債に対する支払利息や、発行費用及び支払利息 -[[割引率>#d8386a03]]の具体的なかたちの一つ **その他コスト [#b80c3fc0] ***機会コスト [#da706079] 意思決定で諦めた方の利益をコストとして見る。 ***埋没コスト(サンクコスト) [#r9ea6f5f] --今まで支払ってきたコスト。 --ギャンブルなので過去の負けを取り戻したくなることを、~ イギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機に例えコンコルド効果と言う。