「.NET 開発基盤部会 Wiki」は、「Open棟梁Project」,「OSSコンソーシアム .NET開発基盤部会」によって運営されています。
目次 †
概要 †
思い立ったが吉日 †
久しぶりにこんな作業をしてたら、
SQL Developerの前提として「JDK 8 required」などの文字列が見え、
「そう言えば、Java有償化云々って言われていて、
イマイチ解って無いので某弊Wikiに収集した情報でも書いてみようかな。」
などと思い立ったので書いてみることにした。
結果のサマリ †
「Javaが有償化する」というのは誤解だった? †
- 有償化と言うのは、恐らくOracle Java11以降が商用で無償利用できなくなる点を指す。
- 選択肢はそれ以外にもあるので、≒ 有償化というのは語弊があるが、
「何もしなくても安心的」なノリなモノは、確かに、≒ 有償化になるのは事実。
本質はサポート・ライフサイクルの変更 †
- 昨今のパッケージ・マネージャを利用した開発では、早いリリースは一般的になって来ている。
- そこで、Javaのランタイム自体のリリースも、早いペースのタイムベースのリリースに変更される。
- しかし、エンプラ分野で、
- パッケージ・マネージャは、あまり浸透していなかったためインパクトが大きい模様。
- 更に基幹系では、長期サポート版(LTS)が必要になってくる。コレ等はホボ有償になる。
- ...と言う事で、無償のOracle版のJavaを使用し続けていたSIerにとって、
- 早い(半年)ペースのタイムベースのリリースが一般化する。
- 長期サポート版(LTS)が必要になるが、これらはホボ有償になる。
と言うのが二重のショックだったらしく、大きな混乱を生んでいる模様。
ディストリビューション毎にサポート有/無が違う †
以下の類のサポートがある。
- パッチが適用されると言う意味のサポート
- 技術問合せが可能と言う意味のサポート
- ものによってはオンサイト・サポートとかもあるかも。
ディストリビューション毎に有償・無償が違う †
基本的に、
- サポートが無いものは無償
- サポートが有っても、パッチまでのサポートは無償。
- 技術問合せ以上のサポートが有るものは当然、有償。
と言った感じになっている。
考えられる選択肢 †
バージョンアップしない。 †
- エンプラは結構、バージョン上げないことが多い(≒ 今迄どおり)。
- それは、それでイイのだケド、サポートが提供されないのが問題。
- よくよく考えると、.NETなどのサポートも近年、結構変わっていたんだよ?
無償のOpenJDKへ移行 †
- 移行(動作保証のためのテスト)が必要になるし、
- 半年毎のバージョンアップしないとパッチ提供されないのが問題。
- また、当然、無償なので、技術サポートなどは無い。
- OpenJDKのディストリビューション
- AdoptOpenJDK
LTS版があるので、3~4年ごとにバージョンアップで済む
- Zulu
- Amazon Corretto
- その他
有償のディストリビューションへ移行 †
- OracleJDK
今迄どうりだが、お金がかかる。
※ これが、所謂一つの、Java有償化。
- OracleJDK 8を使い続ける。
- OracleJDK 11へ切り替える。
- ...
- LTS版なら3~4年ごとにバージョンアップ
- クラウド上
- Zulu
- Amazon Corretto
- , etc.
詳細 †
互換試験キット †
Test Compatibility Kit(TCK、互換試験キット)と言うものがあり、
各社、別々の ディストリビューション を リリース することが出来るらしい。
OpenJDK †
- 9以降から
- OpenJDKのリポジトリがJavaのマスタになったらしい。
- 開発スタイルが変わったので最新版のみのメンテナンスする方向。
- バージョンアップは半年ペースで、最新版のみをサポート対象とする予定。
- 企業との関係
- Oracleと連携をとって開発されており、機能的な差異は無いとされている。
- Oracleが半年オーナー、以後、TLSのサポートに挙手した、
企業オーナー(≒ RedHat?)になるのがコミュニティ上の慣例らしい。
- リリース
- 公式のOpenJDKというものは存在しない。
- オーナー企業が個別のディストリビューションとしてリリースするらしい。
ディストリビューション †
Oracle †
Oracle Javaは、Java全体の70%程度を占めているらしい。
- サポート
- Oracle Java 9や10は既にサポート切れ
- Oracle Java 8の無償サポートは2019年1月まで
※ 無償化終了後の初のアップデートで、
一般のWindowsユーザー向けのJavaアップデートでも
新しいライセンス(OTNライセンス)のJavaがダウンロードされる。
(OTNライセンスは開発 / テスト / デモなど目的を除く商用利用は有償になる)
- 特典: Java SE 8 の アップデート・リリース
- Premier Supportサービス: 2022年3月まで
- Extended Supportサービス: 2025年3月まで
- Sustaining Supportサービス: 無期限
Oracle以外 †
AdoptOpenJDK †
- OpenJDKのビルドを提供するプロジェクト(ソースは同じビルドが違う)。
- IBM, Microsoft, Azul Systems, etc.のバックアップ
- OpenJDKより多くのプラットフォームに対応(AIX)。
- リリース
- 半年ごとにアップデートする通常のバージョン
- 4年のサポートを行うLTS版を提供する予定
- 現時点のリリースとアップデートリリース期間
- OpenJDK 8 (LTS)、2023年 9月
- OpenJDK 11 (LTS)、2024年 9月
Zulu †
- Microsoft と Azul Systems による
- Azure での公式 / 無料 / LTS
- Windows用のインストーラーが提供
- リリース
- 現時点のリリースとアップデートリリース期間
- version 8 (LTS): 2023年6月
- version 11 (LTS): 2024年8月
Amazon Corretto †
- Amazonの提供するJava
- Amazon AWSの公式JDK
- Windows用のインストーラーが提供
- リリース
- 現時点のリリースとアップデートリリース期間
- Corretto 8 (LTS): 2023年6月
- Corretto 11 (LTS): 2024年8月
その他 †
- Red Hat
- Red Hat Linux / CentOS / Windowsに提供される可能。
- OSに内包するOpenJDK8のサポートは2020年10月まで。
- Windows版のRed Hatミドルウェア向けにもサポート含み提供される。
- アップデートの提供(Java 8: June 2023、Java 11: October 2024)
フィーとサポート †
フィー型か?サポート型か?、
また、其々の価格設定は各ベンダによる。
フィー型 †
サポート型 †
開発者ライセンス †
ほとんどのディストリビューションで提供される模様。
OTNライセンス †
- 開発 / テスト / デモ用途の場合はチャージされないらしい。
- パーソナルユースでも開発 / テスト / デモ用途以外はNGだったが、
以下で、Java8以降はパーソナルユースでの使用が可能になったらしい。
Oracle Technology Network (OTN) License Agreement for Oracle Java SE
...ゲームでも使われているため(マインクラフトのJava版があったりするらしい)。
Windows版 †
ほとんどのディストリビューションで提供される模様。
参考 †
Wikipedia †