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目次 †
概要 †
詳細 †
費用便益分析(便益費用分析) †
得点モデル(重み付け得点モデル) †
- 選定委員会で得点モデル(重み付け得点モデル)の基準を作成する。
- 基準の例:市場性、見込利益、開発力 / 生産力、サポート力
# | 基準 | 重み | Pj1の得点 | Pj1の総得点 | Pj2の得点 | Pj2の総得点 | Pj3の得点 | Pj3の総得点 |
1 | 市場性 | 5 | 5 | 25 | 5 | 25 | 3 | 15 |
2 | 見込利益 | 4 | 4 | 16 | 3 | 13 | 4 | 16 |
3 | 開発力 / 生産力 | 3 | 4 | 12 | 3 | 9 | 2 | 6 |
4 | サポート力 | 2 | 4 | 8 | 3 | 6 | 4 | 8 |
- | 合計 | - | - | 61 | - | 53 | - | 45 |
キャッシュ・フロー分析手法 †
様々な、キャッシュ・フロー分析手法があるが、
回収期間分析 †
- 初期投資と製品寿命までのキャッシュ・インフローから回収期間を分析する。
- ァイナンス理論に基づいた方法ではないが、直感的に理解しやすく、現在も広く使われている。
- しかし、将来のキャッシュ・インフローの価値(割引率)を考慮しないので精度が低い。
- お金の時間価値を無視している。
1年目のキャッシュと2年目のキャッシュを全く同じに扱う。
- 回収期間の基準があいまい。
- 回収期間以降のキャッシュフローの価値を無視する。
割引キャッシュ・フロー †
- 将来受け取る現金は、
- 現在の現金より価値が割引率分、低くなることを考慮に入れる。
- 以下の2番目の式を使用し、例えば、x年でy円を稼ぐ2つのプロジェクトを比較する。
n
FV = PV ( 1 + i )
FV
PV = ------------
n
( 1 + i )
FV : 初期投資の将来の価値, PV : 初期投資の現在の価値, i : 利率, n : 期間の数
- Pj1
2年で10万円 = 10/(1.12)^2 = 7.97万円,
- Pj2
3年で12万円 = 12/(1.12)^3 = 8.54万円
PV(初期投資の現在の価値)が高い方がイイ
正味現在価値(NPV : Net Present Value) †
NPV =(投資が生み出すキャッシュフローの現在価値)-(初期投資額)
- 割引率での再投資。
- 割引キャッシュ・フローのように均等割りではなく期間ごとに評価。
- NPVがプラスになれば、期待収益率(資本コスト)以上の収益を上げていることになる。
- NPVが正(NPV>0)ならば投資を行い、負(NPV<0)ならば投資しない。
- NPVは高い方がイイ
- Pj1
期間 | FV | PV |
1 | 10,000 | 10,000/(1.12)^1 = 8,929 |
2 | 15,000 | 15,000/(1.12)^2 = 11,958 |
3 | 5,000 | 5,000/(1.12)^3 = 3,559 |
期間合計 | 30,000 | 8,929 + 11,958 + 3,559 = 24,446 |
初期投資 | - | 24,000 |
NPV | - | +446 |
- Pj2
期間 | FV | PV |
1 | 7,000 | 7,000/(1.12)^1 = 6,250 |
2 | 13,000 | 13,000/(1.12)^2 = 10,364 |
3 | 10,000 | 10,000/(1.12)^3 = 7,118 |
期間合計 | 30,000 | 6,250 + 10,364 + 7,118 = 23,732 |
初期投資 | - | 24,000 |
NPV | - | -268 |
内部収益率(IRR : Internal Rate of Return) †
IRR = NPVがゼロになるときの割引率。
- 割引率での再投資。
- 計算は複雑なので割愛。
FV1 FV2 FVn
FV0 + ------------ + ------------ + ... + ------------ = 0
1 2 n
( 1 + r ) ( 1 + r ) ( 1 + r )
※ FV0 = - PV
FV : 初期投資の将来の価値, PV : 初期投資の現在の価値, r : 割引率, n : 期間の数
- 同程度のリスクを持つ投資案件の利回り(ハードル・レート)を設定し、
当該投資機会の利回り(IRR)を比較することにより、投資を評価する。
- IRRがハードル・レートよりも大きければ投資を行い、小さければ投資しない。
- IRRは高い方がイイが、回収期間が長くなる場合、
長期間故に割引率も大きくなり、変動のリスクも大きいと判断されることがある。
用語 †
期待収益率(資本コスト) †
- 株主や債権者などの資本提供者から「これくらいは稼いで欲しい」と要求される収益率(=利回り)
- 現代ファイナンス論によると期待収益率(資本コスト)は、
- ハイリスク・ハイリターンの関係が成り立つ、リスク負担に対する報酬
- イコール「リスク」の大きさと捉える事ができる。
- 何故なら、投資家はリスクの高いものほど大きな見返りを要求するため。
- 従って、資本コストの資本にかかるコストは負債にかかるコストより高い。
株主資本コスト †
負債コスト †
- 債権者より調達した負債に対する支払利息や、発行費用及び支払利息
- 割引率の具体的なかたちの一つ
収益率(=利回り) †
- 現在価値を将来の価値に換算するときに使う利率(=金利)
- 逆に考えると、将来価値を現在価値に換算するときに使う利率(=割引率)のこと。
割引率 †
割引率(=ディスカウント・レート、=ハードル・レート)
- ディスカウント・レート:将来価値を現在価値に換算するときに使う利率